遠藤晴雄氏が中学生のとき師事した細谷角次郎氏は当時貝類図鑑の作成の準備を進めていました。この頃は写真の技術が低く、図鑑といえば手書きの細密画が使われました。現在も研究の専門書には解説のための図が不可欠で、研究者は自分で描く技術を身に付けています(私も山本学芸員も大学で精密スケッチをたくさん書いてきました)。
最近は図よりも写真が多く使われるようになりましたが、スケッチは観察力をつけるのにとても大切で、まなづる小学校の「海の学校」でも全員がスケッチをして、ここはどうなっているんだろうという探究心が育つよう取り組んでいます。細谷氏は、絵画の素人ながら、貝の美しさを忠実に表現しようと日本画用の岩(いわ)絵の具(えのぐ)を使って晩年をこの仕事にかけていたのです。この企画展ではそんな昔ながらの人の手になる芸術作品と本物の貝類とを比較して見比べるのも楽しいかと思います。

問い合わせ 真鶴町教育委員会 生涯学習課 遠藤貝類博物館 68-2111
