真鶴町まちづくり条例「美の基準」について

 観光旅行で訪れた歴史的なまちなみ、外国旅行でみたあの教会、そして子ども達と一緒に行く賑わった海、眼をつぶってそれらを思い出すと、そこにはみんなが「協力」して創ったという思いがわいてきます。
 「協力」して創ったということは、そこに何等かの「共通の思い」があったということでしょう。
 「美の基準」は真鶴町を美しくすることによって、生き生きと生活するための「ルール」です。


真鶴町まちづくり条例「美の基準」の構成

1)8つの基準
真鶴町では、この「美」を個人的な主観としないために,8つの原則(基準)をたてました。
 考え方のヒントとなったのは、かつての美しかったイギリスの歴史的建築物が、次々と取り壊されていくことを心配したプリンス・オブ・ウェールズ、チャールズ皇太子が著した「英国の未来像-建築に関する考察」(出口保夫訳、東京書籍1991年)です。この著書でいわれている「建築の10の原則」は、遠い国のことでありながら、都市に住む人間にとって、国や時間を超えて共通の普遍性をもつものでした。

2)基準の概要
 デザインコードの「美の基準」は、この基準をよく理解するために具体的な手がかりを掲げ、そしてそれらを簡潔に表現する基本的精神を示しました。

3)全体のつながり
 8つの基準はひとつひとつ重要であると共に、全体としてこれらがまとまっていることが必要です。これが「美の基準U」で紹介する「つながり」です。

4)基準の詳細
詳細は、この全体のイメージを具体化するものです。「美の基準V」は、これをキーワードとしてあらわしました。

5)参加
 「美の基準」は、強制されるものではなく、みんなで創っていくものです。従って、この「美の基準」には誰もが参加できます。
 ここで示された「美の基準」は、参加によって修正されたり蓄積されたりしていきます。
 この実験は、長い間続けられることによって、必ず真鶴町を「美しく豊かにしていく」ものと信じています。

 

美 の 基 準 T

美 の 基 準 U 美 の 基 準 V

基準

手がかり 基 本 的 精 神 つ な が り キ ー ワ ー ド
1.場 所 (場所の尊重)

地勢 輪郭

地味 雰囲気

*建築は場所を尊重し、風景を 支配しないようにしなければな らない。

私たちは

場 所

を尊重することにより、その

歴史、文化、風土

を町や建築の各部に

格づけ

し、それらの各部の

尺 度

のつながりを持って

青い海、輝く森と言った自然、

美しい建物の部分、

の共演による

調 和

の創造を図る。

それらは

真鶴町も大地、生活が生み出す

材 料

に育まれ

装飾と芸術

という、人々に深い慈愛や楽しみをもたらす

真鶴町独自の質に支えられ、町共通の誇りとして

コミュニティ

を守り育てるための権利、義務、自由を生きづかせる。

これらの全体は真鶴町の人々、町並、自然の

美しい眺め

に抱擁されるであろう。

 

聖なる所 斜面地 豊かな植生 敷地の修復 

眺める場所 生きている屋外 静かな背戸

海と触れる場所  

2.格づけ (格づけのすすめ)

歴史 文化

風土 領域 

*建築は私たちの場所の記憶を 再現し、私たちの町を表現する ものである。 海の仕事山の仕事 転換場所 見通し 

建物の縁 大きな門口 壁の感触 母屋

柱の雰囲気 門・玄関 柱と窓の大きさ

3.尺 度 (尺度の考慮)

手のひら 人間 

木 森 丘 海

*すべての物の基準は人間でる。建築はまず、人間の大きさと調和した比率をもち、次に周囲の建物を尊重しなければならない。 斜面に沿う形 部財の接点 見つけの高さ

終わりの所 窓の組み子 跡地とのつながり

段階的な外部の大きさ 重なる細部

4.調 和 (調和していること)

自然 生態

建物各部

建物どうし

*建築は青い海と輝く緑の自然に調和し、かつ町全体と調和しなければならない。 舞い降りる屋根 日の恵 木々の印象 覆う緑

守りの屋根 北側 地場植物 大きなバルコニー

実のなる木 ふさわしい色 少し見える庭 青空階段

格子棚の植物 ほどよい駐車場 歩行路の生態

5.材 料 (材料の選択)

地場産 自然  

非工業生産品

 

*建築は町の材料を活かして作らなければならない。 自然な材料 地の生む材料 活きている材料
6.装 飾

  と芸術

(豊かな細部)

真鶴独自の装飾

芸術

 

*建築には装飾が必要であり、私たちは町に独自な装飾を作り出す。芸術は人の心を豊かにする。建築は芸術と一体化しなければならない。 装飾 森、海、大地、生活の印象 軒先、軒裏

屋根飾り ほぼ中心の焦点 歩く目標

7.コミュニティ (コミュニティの保全)

生活共域

生活環境

生涯学習

*建築は人々のコミュニティを守り育てるためにある。人々は建築に参加するべきであり、コミュニティを守り育てる権利と義務を有する。 世帯の混合  ふだんの緑 人の気配 店先学校

街路を見下ろすテラス さわれる花 お年寄り 外廊 

小さな人だまり 子どもの家 街路に向かう窓 

8.眺 め (眺めの創造)

真鶴町の眺め

人々が生きづく眺め

 

*建築は人々の眺めの中にあり、美しい眺めを育てるためにあらゆる努力をしなければならない。 まつり 夜光虫 できごと 眺め 賑わい

いぶき 懐かしい町並